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【テリメイン海洋(魔法)生物レポート】

■マリンオーク■
特徴:人魚の尾ひれと紫掛かった肌のオークの身体。
平たく言えば、オークに尾ひれがついただけの見た目。
他の同種個体は確認していないが、髪は人顔負けのサラサラの金髪を持つ(同封の写真参照)。

食事:“テリメイン水牛100%ハンバーガー”が好物との事。
……意外と雑食なのかも知れない。

危険性:低(あくまで遭遇した個体に限る/他個体は未知数)

備考:
海底探索協会の実力試験にて遭遇。
このマリンオークの個体名は、オーク・M・シュナイダー。
この個体は協会の教官として働いていた為、知能は人並みのようだ。
性格も凶暴ではない為、充分交渉も出来る。
今後同種族が、海中敵として確認するかは未知である。


▼報告追記
ゴメス教授と連絡が途絶えたまま翌日になったので、私が独断で代筆する事となった。

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「教授……何処に行ったのだろう。
 スカラ先輩にも、連絡がつきませんし。

 ここの生物も興味はありますが、早く配属変わってほしいですね……」


 ユアンはレポートを書き上げ、研究室へと転送すると、一人ごちり、焚き火を棒で突いていた。

 教授から連絡は来ず、連絡塔であるスカラも反応なし。
 連絡塔の意味がまるでなく、これにはユアンも頭を抱えていた。

 だが、ただ何もしないでいた訳ではなく、ボトルや、見たことのない不思議な情報収集ツールで、尋ね人として情報を流しながら、探す事にした。
 知り合いも居ない、危険もはらんだこの世界で、闇雲に動く訳にも行かない。
 駄目元ではあるが、ユアンはレポートの余りの紙を使い、サラサラと書いて、それを瓶へと詰めた。


 ──はてさて、彼(ら)はこれから、どうなるのだろうか。
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